加藤竜祥 (自由民主党)

2025年5月23日・第217回国会 衆議院 国土交通委員会 第17号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 30 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 219 発言)

非常に前向きな御答弁、ありがとうございました。

我が国の国土政策には、国土の均衡ある発展という理念がございます。そして、一極集中を是正をして、地方がそれぞれの特色を生かしながら自立的に発展をしていくためには、地方の高規格道路ネットワークを充実させていくこと、これが極めて重要になってくると思います。国土交通省におかれましては、地方の発展にとっていかに道路網整備が重要であるかということを自覚をされて、引き続き道路政策を考えていただきますように、よろしくお願いを申し上げます。

次に、BバイCという考え方についてお伺いをいたします。

公共事業の採択に際して、その費用対効果を評価する指標として、BバイC、いわゆるベネフィット・コスト比が広く用いられております。しかし、この基準では、交通量や経済活動規模が大きい都市部ほど便益が高く算定されるため、人口減少、高齢化が進む地方では、費用に対する便益が少ないとされ、不採択となる傾向が見受けられます。

私は、この点に地方の安全や将来を左右しかねない構造的な問題があると考えます。特に、定量化可能な効果に偏り、命や安心という重要な価値が評価から漏れている点が問題だと思います。

現行の基準では、時間短縮効果や事故削減率といった数値化可能な項目を主に評価軸としているため、孤立集落の防止や災害時の代替ルートの確保、地域住民の安心感や希望といった根本的な便益を評価することは困難です。しかしながら、これらは事前防災や地方創生の観点から極めて重要な要素であり、事業評価の限界が露呈しているのではないかと思っております。

東日本大震災後に整備されました三陸自動車道では、開通後に交流人口が増加し、沿線地域で企業立地が進むなど、生活や経済の回復と活性化に大きく大きく寄与しております。こうした成果も、BバイCの計算では正当に評価をされておりません。

また、我が国は、国土の至るところに火山や活断層が存在し、地震や豪雨災害のリスクが極めて高い災害大国です。したがって、道路整備を始めとするインフラ整備には、防災や国土強靱化の観点からの事前対策としての意義がございます。

例えば、私の地元、島原半島周辺には、雲仙断層群が存在し、三十年以内に地震が発生する確率が最大で一・一%とされております。これは、二〇一六年の熊本地震の発生確率が〇・九%であることを考えれば極めて高い水準であり、想定される地震では、二千人を超える死者、二十万人以上の避難者が出るとの推計もあります。こうしたリスクに備える事業がBバイCの基準によって重要視されない現状は、極めて問題であるかと思います。

現在、国土交通省の要綱では、新規事業の採択にはBバイCが一以上であることが前提とされております。これは、先ほど申し上げているとおり、将来価値や危機対応力といった公共的意義を評価から排除してしまう制度上の問題だと思います。海外主要国の多くでは、BバイCはあくまで判断材料の一つであり、事業化の絶対条件とはしておりません。我が国においても、BバイCをあくまで参考指標と位置づけ、地域の実情や将来展望、防災効果など、多面的な価値を加味した評価制度への転換が必要だと考えます。

そこで伺います。

人口減少時代における地域の生産性向上や防災力の強化といった視点も踏まえ、道路整備の真の価値を評価できる制度への見直しが必要と考えます。BバイCが一以上でなければ事業化できないという前提を再検討すべきであると考えますが、この点に関する国土交通省の見直しの取組状況と今後の方向性についてお伺いをいたします。

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