お答えいたします。
まず、区分所有権の譲渡に伴いまして、法律上、一律に共用部分等について生じる損害賠償請求権も譲受人に当然承継させるという制度は、財産権の保障の観点から特に慎重な検討が必要である上、個別の事案によっては不当な結論を招くおそれもあると考えられます。
また、現行法の解釈といたしましては、一般的には、共用部分等について生じる損害賠償請求権は、区分所有権の移転とともに当然に承継されるのではなく、当該請求権が譲渡されない限り、区分所有権の譲渡後も旧区分所有者に帰属していると考えられていると承知をしております。
このような状況におきまして、御指摘のような、なお従前の例によるという規律を設けたといたしましても、改正法施行時までに区分所有権の転売がされた場合の共用部分等について生じる損害賠償金の請求権の帰属につきまして、当然承継を前提とする判断がされることは考え難いことから、御指摘のような規律を設ける意義は乏しいものと考えております。
115徳徳安淳子(維新)
それでは次に、当然承継についてお尋ねいたします。
るる話も出ておりますけれども、改めて、国交省側からの説明では、当然承継を法改正前の法律関係に適用すれば法律関係が混乱するから、当然承継は採用できないということでした。
しかし、先週の五月九日の参考人質疑では、実務を知る弁護士から、転売した旧区分所有権が、共用部分の欠陥について補修費用相当の損害賠償請求権を個別行使して賠償金を取得したなどという事案は聞いたことがないとの説明を受けました。
一体どのような混乱や不都合が生じるのか、実際あったのかどうか、具体的に説明をお願いいたします。
この発言のページ
116竹竹内努法務省民事局長
お答えいたします。
具体的には、例えば、既に分譲業者から損害賠償金の支払いを受けていた旧区分所有者が、現区分所有者から損害賠償金の引渡しを求められるという事態が生じる可能性がございます。また、既に分譲業者から損害賠償金の支払いを受けていた旧区分所有者が、分譲業者から損害賠償金の返還を求められるという事態が生じる可能性もあるところでございます。
さらに、既に損害賠償金を多数の旧区分所有者らに支払い済みであった分譲業者におきましても、当該支払いは無効であるとして、現区分所有者から改めて損害賠償金の支払いを求められる可能性もございまして、このように、当然承…
この発言のページ
117徳徳安淳子(維新)
当然承継説というのは、現在の区分所有法の共用部分に関する考え方からも十分に解釈として成り立つ考え方だと主張されているところもあります。もしそうだとすると、既存マンションに適用されますのは、元々現行法の解釈からも当たり前ということになりますが、例えば、改正法で当然承継を定めた場合の効力に関する附則の規定の仕方については、改正法施行時に既に存する区分所有建物について適用するという遡及適用を明示する方法以外にも、改正法施行時に既に存する区分所有建物については、なお従前の例によるという規定の仕方も考えられます。これは午前中もお尋ねがありました。
これであれば、…
この発言のページ
- (上の発言)
118竹竹内努法務省民事局長
お答えいたします。
まず、区分所有権の譲渡に伴いまして、法律上、一律に共用部分等について生じる損害賠償請求権も譲受人に当然承継させるという制度は、財産権の保障の観点から特に慎重な検討が必要である上、個別の事案によっては不当な結論を招くおそれもあると考えられます。
また、現行法の解釈といたしましては、一般的には、共用部分等について生じる損害賠償請求権は、区分所有権の移転とともに当然に承継されるのではなく、当該請求権が譲渡されない限り、区分所有権の譲渡後も旧区分所有者に帰属していると考えられていると承知をしております。
このような状況におきまして、御指摘のような、なお従前の例によるという規律を設けたといたしましても、改正法施行時までに区分所有権の転売がされた場合の共用部分等について生じる損害賠償金の請求権の帰属につきまして、当然承継を前提とする判断がされることは考え難いことから、御指摘のような規律を設ける意義は乏しいものと考えております。
119徳徳安淳子(維新)
それでは、今回、先ほども管理規約で対応可能というお話が出ておりまして、その判断理由についてお尋ねをしたいと思います。
国交省の説明によりますと、当然承継案を採用しなくても、改正法案にプラスして標準管理規約の改定という実務対応で十分対応できると説明しています。これまでもいろいろ質疑もございました。しかし、国交省住宅局の令和五年度マンション総合調査結果によりますと、マンション標準管理規約の認知状況というのは、先ほどもいろいろと御紹介もありましたとおり、全く知らないというのが三割、そして、名前ぐらいは聞いたことがあるというのも三割ぐらいと、ほとんど普及してい…
この発言のページ
120竹竹内努法務省民事局長
お答えいたします。
国交省からもお話がありましたが、管理組合を対象に標準管理規約への準拠状況についても調査をしており、九割以上の管理組合において標準管理規約を踏まえて管理規約が定められているとの結果も示されているところでございます。
そして、本改正法案は、損害賠償請求権の行使の円滑化に係る点以外にも、出席者の多数決の仕組みを導入し、一定の事由がある場合に建て替え決議に係る多数決割合を引き下げ、建て替え以外の再生手法に関する決議も設けるなど、幅広い内容の改正でございますため、規約においても多くの改定が必要になると考えております。
法務省といたしまして…
この発言のページ
121徳徳安淳子(維新)
今、管理組合の九割がというお話なんですけれども、その九割の分母というのはどれぐらいなんでしょうか。
と申しますのも、管理組合自体がもう今機能していないとか、なかなか人が集まらないとか、これからどうしようとか、第三者管理に委ねようかというところの管理組合の状態の中で、その九割の分母がどれぐらいなのか、お分かりだったら教えていただきたいと思います。
この発言のページ