田村貴昭 (日本共産党)

2025年5月16日・第217回国会 衆議院 厚生労働委員会 第17号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 196 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 210 発言)

私は、日本共産党を代表して、労働施策推進法の改正案に反対の討論を行います。

本法案に反対する理由は、包括的なハラスメントの禁止規定が盛り込まれていないことです。本法案は、ハラスメント対策として、新たに、カスタマーハラスメントや求職者等に対するセクシュアルハラスメントについて、事業主に防止措置義務を課していますが、防止措置義務ではハラスメントを防ぐことはできず、対策としても実効性がありません。二〇〇六年の均等法改正でセクハラに対する事業主の防止措置義務が導入されましたが、その後、ハラスメントに関する相談件数は増え続けています。

厚生労働省は、本法案をILO第百九十号条約の批准に資するものと評価しますが、同条約は、ハラスメントを包括的に定義し禁止する法整備を求めています。本法案には、条約が求めるハラスメントの包括的な定義も禁止規定もなく、国際水準にふさわしいものとは到底言えません。

日本の法律は、包括的な定義がないために、セクハラやマタハラ、パワハラ、カスハラといった個別のハラスメントを既存の法律に当てはめる形で規制しており、社会問題化したものしか規制の対象にならず、社会問題化してから法整備を行うため、被害の防止や救済が遅れる実態があります。日本も、条約批准に向けて包括的な禁止規定を設けるべきです。

また、本法案は、男女の賃金の額の差異と管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合を法定事項とし、企業規模にかかわらず、必須の公表項目とします。賃金格差の把握、公表は当然必要ですが、その公表内容は、男性の正規と非正規、女性の正規と非正規と、同性間の賃金格差のみであり、一番格差の大きな男性正規と女性非正規との比較ができません。男女間賃金格差を見る場合、雇用形態間格差も複合的に関わってくるため、男性正規と女性非正規の格差も公表すべきです。

また、本法案は、賃金格差の是正措置がありません。我が党は、企業が正規、非正規、男女の賃金格差を是正する計画を作成、公表し、その履行を国が指導、督励する仕組みを提案しています。情報の把握、公表にとどまらず、企業に賃金格差是正を義務づける仕組みをつくるべきであります。

以上述べまして、討論を終わります。

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