田村貴昭 (日本共産党)

2025年5月7日・第217回国会 衆議院 厚生労働委員会 第13号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 182 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 194 発言)

私は、日本共産党を代表して、労働安全衛生法等の一部を改正する法律案について、反対討論を行います。

個人事業者を労働安全衛生法の対象として位置づけたことは、建設アスベスト訴訟最高裁判決を踏まえたものであり、個人事業者の労働災害の防止対策のために必要なことです。また、ILOの中核的労働基準の百五十五条約批准のための国内法整備としての性格を持つものです。同時に、これを一歩として、更なる安全な労働環境を整備していく国の責任が改めて問われています。

本法案に反対する理由は、移動式クレーンやゴンドラの製造時等検査を民間の登録機関が行えるようにするとしているからです。既に民間移管されているボイラーやクレーン等の製造時等検査は、設置段階で監督署の検査官が落成検査を行っています。一方、移動式クレーンやゴンドラは、特定の場所に設置するものではないため、落成検査そのものがありません。今回の法改正で、行政機関によるチェックなしに使用が認められることになります。

また、既に移管されている特定機械の定期的な検査を行う登録性能検査機関では、法令違反による処分事例も発生しています。特に危険な作業を必要とする特定機械は、安全性能の確保のために、設置時、使用時の各段階における検査が義務づけられています。特定機械の検査の更なる民間移管は、安全性能の確保の後退につながりかねません。

さらに、製造時等検査の民間移管は、求められる知識経験の高度化を理由に挙げています。しかし、検査監督に求められる知識経験が高度化すればするほど、検査監督権限を有する行政での知識経験の蓄積が必要です。検査の民間委託の促進で行政職員の専門性継承が難しくなり、行政の力量の後退は避けられません。労働安全衛生行政の重大な後退につながるものであることを指摘し、反対討論とします。

前後のやりとり

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