浅野哲 (国民民主党)

2025年6月12日・第217回国会 衆議院 憲法審査会 第9号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 8 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 47 発言)

国民民主党の浅野哲です。

本日は、今国会における憲法審査会の議論を振り返るとともに、次期国会に向けた進め方について、国民民主党を代表して意見を申し上げます。

今国会では、憲法審査会が原則として毎週開催され、継続的かつ安定的な議論が積み上げられたことをまず評価したいと思います。

とりわけ、AI技術などの急速な発展に伴い、ネット上の言論空間におけるフィルターバブル、エコーチェンバー効果やマイクロターゲティングなどの新たな現象を始め、誤情報・偽情報対策などのデジタル時代固有の新たな課題について、委員各位や参考人から積極的に問題提起が行われました。こうした実社会の変化を見据えた議論が展開されたことは、憲法審査会の機能を国民に示す上でも非常に意義深かったと考えています。

国民投票法の見直しに関しても、ネット空間における政党等によるCMの取扱い、広告主の明示義務、公的広報のデジタル対応、プレバンキングなどの偽情報・誤情報対策の提案、さらには外国資本による干渉防止など、複数の論点に関し多角的な意見が交わされました。

その中で、国民民主党は、投票日前二週間のCM禁止、公的広報の強化、広告主の身元確認制度、外国からの資金流入の排除など、実効性ある制度設計を行うことが重要だと主張してきました。

今後は、当審査会として、国民投票法の改正に向けた具体的な成果物が求められると思います。枝野会長を始め与野党筆頭には、積極的な審査会開催と具体的成果の創出に向けたリーダーシップ発揮を期待いたします。

他方で、運営面には改善すべき課題もあったと感じます。

例えば、今国会を通じて、審査会のテーマに関するスケジュールがあらかじめ決められた点はよかったものの、結果的に、議論が収れんするには十分な議論が重ねられたとは言えず、国民投票法に関する各種審査では、抽象的な課題提起にとどまり、成果の可視化が不十分なままとなっていると感じます。

また、本日の幹事会で示された選挙困難事態における国会機能維持条項の骨子案についても、その内容は先ほど船田幹事から御説明があったとおりですが、この骨子案をベースにした条文化作業など、今後は、単なる意見交換にとどまらず、中間整理や条文化案の提示といった具体的な成果物を出していくステージに入るべきと考えています。

それらを踏まえ、今後の当審査会の運営について、以下四点、提案いたします。

第一に、議論成果の具現化を念頭に置いたテーマ設定です。

当該国会会期中に議論すべきテーマについて、あらかじめ論点とゴールを明確化し、委員間で共通認識を持った上で議論を行うことが重要です。さらに、各回の議論を簡潔に記録し中間整理として定期的に共有することで、審査会の活動の透明性と蓄積性が高まると考えます。

第二に、具体的な議論テーマとして私たちが重視しているのは、選挙困難事態における国会機能維持条項に関する条文化作業です。

本日、五会派による骨子案についてその内容を示せたことは前進と評価いたしますが、これを機に、条文化案のたたき台を早期に提示し、更なる協議に進むべきと考えております。感染症の蔓延、自然災害の頻発化、国際情勢の不安定化など、立法府の機能を維持すべきリスク要因が顕在化している現代において、現実的で柔軟な制度構築を行うことが必要です。

第三に、社会実態との乖離が大きいテーマも、引き続き議論を重ねる必要があると考えます。

例えば、安全保障環境の急速な変化を受けた憲法九条の在り方、デジタル時代に対応した人権保障のアップデート、財政の持続可能性や地方自治の強化といった、現行憲法が必ずしも十分に対応できていない領域について、率直かつ建設的な議論を求めます。特に、AIによる情報フィルタリングが当たり前となる時代の社会実態を踏まえた国民投票法のアップデートといった、現行憲法の健全な運用を支える制度面の補強は急務です。これらは憲法の現代的意義と機能を損なうことなく発展させるために必要不可欠なテーマであり、来国会でも優先的に審査会で取り上げるべきと考えます。

第四に、国民理解への貢献です。

憲法論議に対する国民の信頼を得るためには、広く国民の意見を聞く機会も必要です。例えば、地方公聴会の開催や参考人質疑の積極開催、さらにはインターネットやSNSなどを活用した広報活動の更なる充実等を通じて、国民の理解促進と、多様な視点を踏まえた充実審議のための双方向コミュニケーションを励行していくことも重要と考えます。

以上、国民民主党は、憲法審査会を建設的かつ成果志向の議論の場とすべく、引き続き、積極的な提案と協議を重ねてまいります。国民の皆様の信頼に応えるべく、実効性のある議論を共に積み上げていく決意を申し述べて、私の発言を終わります。

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