下請法は民間と民間の取引のみを対象としている、その趣旨は理解しました。
ちょっと、少し角度を変えて質問をいたします。
御記憶にあるかも分かりませんが、二〇〇一年、当時の防衛省は、アパッチロングボウという戦闘ヘリを六十二機導入する計画を決定しました。発注先は富士重工業株式会社で、富士重工は、まずアメリカのボーイング社からライセンスを取得して、その製造ラインを立ち上げました。つまり、いわゆる初期投資をした上で製造を開始したわけです。
問題になったのは、この多額の初期投資分を導入する六十二機の費用に分割して支払うという契約だったところ、実際には、年に一、二機製造しているうちに、二〇〇八年になって、六十二機製造、配備するという計画を十三機まで縮小してしまった、それを防衛省が決定した。さらには、残りの機体価格に上乗せされるはずだった初期投資分も払わないということを富士重工に伝えて、これでは富士重工は初期投資分を回収できなくなってしまいますから、結局訴訟になって、一審は二〇一四年の富士重工が敗訴、二〇一五年は逆転勝訴して、国が初期投資分を全て支払うということになりました。
一応、防衛省の名誉のために申し上げますと、この事件の後は、そういうことがないように、初期投資分は最初に一括して支払うというようなことにしているようですが。
これはちょっと仮定の質問になるんですが、これが民間と民間の取引の中で起きた場合、これは独禁法違反や下請法違反で調査対象となり得るかということです。私の見解では、設備投資等の投資を最初にさせておいて、その後で、契約によって後々その分は補填するよと言っておいて、後から契約数量を大幅に減らすことで下請企業に初期投資分を負担させるみたいなことは問題になると思うんですが、その辺りはいかがでしょうか。
200向向井康二公正取引委員会事務総局官房審議官
お答えいたします。
この法律、これは独占禁止法の優越的地位の濫用を補完する法律ということでございます。独占禁止法やこの法律というのは、基本的に民間の事業者間の取引の公正化を図ろうというものでございます。
他方で、公共発注者につきまして、一般的に事業者に該当するかどうかというところは、ケース・バイ・ケースで判断する必要があるということでございます。
そして、そのような公共発注者につきましては、御指摘されたような別の規制で規制がなされておるということもありますので、そういうものと二重にして、こちらのいわゆる下請法に対象といたしまして公共発注者というもの…
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201平平岩征樹(国民)
ちょっと一つ分からないのが、建設業法や入契法で公共発注者にも義務が課されているわけじゃないですか。そんな中で、下請法では一切対象外とするという合理的理由みたいなのはあるんでしょうか。
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202向向井康二公正取引委員会事務総局官房審議官
先ほど申し上げましたように、やはりこの法律の性質というものにあるのではないかと考えてございまして、独占禁止法というもの、これは、公正かつ自由な競争を促進するという民間の事業者の競争を促進しようという法律でございまして、その一形態で優越的地位の濫用というのがありまして、それを補完する法律といたしましてこの法律があるということでございます。
そして、この公共発注者につきましては、そちらの規制というよりは、また特別の規制というところがあるということでございますので、そこはそちらで規制した方がより適切ではないかという、規制の区分の問題というふうに整理ができるの…
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- (上の発言)
203平平岩征樹(国民)
下請法は民間と民間の取引のみを対象としている、その趣旨は理解しました。
ちょっと、少し角度を変えて質問をいたします。
御記憶にあるかも分かりませんが、二〇〇一年、当時の防衛省は、アパッチロングボウという戦闘ヘリを六十二機導入する計画を決定しました。発注先は富士重工業株式会社で、富士重工は、まずアメリカのボーイング社からライセンスを取得して、その製造ラインを立ち上げました。つまり、いわゆる初期投資をした上で製造を開始したわけです。
問題になったのは、この多額の初期投資分を導入する六十二機の費用に分割して支払うという契約だったところ、実際には、年に一、二機製造しているうちに、二〇〇八年になって、六十二機製造、配備するという計画を十三機まで縮小してしまった、それを防衛省が決定した。さらには、残りの機体価格に上乗せされるはずだった初期投資分も払わないということを富士重工に伝えて、これでは富士重工は初期投資分を回収できなくなってしまいますから、結局訴訟になって、一審は二〇一四年の富士重工が敗訴、二〇一五年は逆転勝訴して、国が初期投資分を全て支払うということになりました。
一応、防衛省の名誉のために申し上げますと、この事件の後は、そういうことがないように、初期投資分は最初に一括して支払うというようなことにしているようですが。
これはちょっと仮定の質問になるんですが、これが民間と民間の取引の中で起きた場合、これは独禁法違反や下請法違反で調査対象となり得るかということです。私の見解では、設備投資等の投資を最初にさせておいて、その後で、契約によって後々その分は補填するよと言っておいて、後から契約数量を大幅に減らすことで下請企業に初期投資分を負担させるみたいなことは問題になると思うんですが、その辺りはいかがでしょうか。
204向向井康二公正取引委員会事務総局官房審議官
お答えいたします。
仮定の質問ということでございますので、一般論でお答えしたいと思います。
先ほど御指摘のあったようなものが事業者間であった場合ということでございますが、例えば、発注者が受注者に対しまして取引上の地位が優越しておるというようなところが明確でありまして、それで一方的に取引条件をまず設定をいたしました、その後、受注者に不利になるように変更いたしましたということに該当いたしますと、優越的地位の濫用として問題となり得るケースもあろうかと思います。
そして、いわゆるこの下請法というもので製造委託をしておりますということで、最初これぐらい発注す…
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205平平岩征樹(国民)
そうなんですよね。民間と民間の関係では多分許されないことが、現行の法律では公共発注者が想定されていないので、この事例は、裁判で賠償が決定するまで五年かかっています。富士重工は大企業ですから裁判を闘い抜くことができましたが、これがもし中小企業なら、なかなか体力がもたずに潰れてしまうということもあり得ると思います。
何か中小企業支援とかで補助金とかを使っておきながら、一方で、予算の制約によって適正な取引ができないみたいなことが起こり得るならば、なかなか対策としては不十分ではないかと思っています。
そこで、ちょっと改めてお伺いしますが、委託と受託という関係…
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武藤容治(自民)経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)
国や地方自治体からの契約に関しましては、優越的地位の濫用規制等は、今のお話のとおりで、適用されないということです。一方で、官公需法に基づきまして、毎年度閣議決定される契約の基本方針に、国や地方公共団体が発注を行う際に取るべき措置が盛り込まれているところであります。
官公需におけるコスト上昇分に対する価格転嫁率というものは、昨年九月時点の調査結果によれば五五・八%で、まだまだ道半ばであります。
このため、令和七年度の基本方針において、協議の申出があった際には誠実に応じなければならないとか、あるいは、少なくとも年に一回以上の協議を行うよう努めることを含む…
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