北野裕子 (参政党)

2025年4月8日・第217回国会 衆議院 環境委員会 第5号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 120 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 144 発言)

ありがとうございます。

現状ですと、個体数を正確に把握しないまま銃猟の機会を増やすことになります。今までに絶滅したニホンオオカミ、カワウソ、トキなど、様々な動物たちもそうであったように、気づいたときには絶滅間近ということも考えられます。このような事態にならないよう、是非個体数の管理に人員と予算を充てていただきたいと考えております。

そうした生態系の管理と両輪で行わなければならないのが森林の保全でございます。

かつて日本は林業が盛んでした。しかし、一九五〇年代から六〇年代以降、海外の安い木材が輸入されるようになり、国産木材の価格が大幅に下落。切ってももうからず、間伐や山の手入れの意識低下が生じ、山の管理をする人が減少し続けております。

昔は、暮らしと山は密接に関わっておりましたが、ライフスタイルの変化により、エネルギー、食料共にほかに頼れるため、時代の流れとともに山への価値が薄れ、山は放置されるようになりました。その結果、森林が健全に育たなくなり、災害や野生動物が人里で出没するなど問題が発生し、現代の日本人がそのしっぺ返しを受けているような状況になっております。

我々参政党は、森を管理する森林官の設置の必要性を訴えます。これは、環境保全、林業、生態系の管理を総合的に行う専門家を公務員として育成し、雇用しようとするものです。日本の林業は自由に任せていていい状態ではもうありません。人間の活動の基盤である重要な分野ですので、積極的な政府の支援を求めます。そして、これにより、一次産業を守ることにもなりますので、是非御検討をいただければと思います。

今後、更に山の開発が進むにつれ、熊がますます居場所を失い、人里に下りてくる可能性が今後も否定できません。そうであれば、すみかを失われてしまった熊たちが人の生活圏内に出るたびに、私たちの都合で捕殺されてしまいます。熊の生態について分からないことが多く、何が熊に悪影響を与えているのか、時間がたっても分からないこともあると思います。もし、熊の個体数に大きな変化が生じた場合には、柔軟に見直しの機会を設けていただくことを併せてお願い申し上げます。

最後の質問になるのですが、鳥獣保護法改正の危険鳥獣の名称についてお尋ねいたします。

この危険という名称が熊やイノシシへのレッテル貼りとなり、人の生活圏に出没した個体ではなく、彼らが総じて危険な動物であるかのような印象を植え付けてしまわないか、考える必要があります。なぜなら、多くの国民がこの法律のたてつけを意識するとは到底思わないからです。

本改正案では、人の生活圏に出没した個体のみが危険鳥獣で、それ以外は危険鳥獣でないということですが、これは、条文を読み進めてようやく多くの国民の方に理解を示すものとなります。

熊が人の生活圏に出没し、危険鳥獣として猟友会のハンターが射殺したというようなテレビ報道がされることにより、国民に与える影響は大きいのではないかと考えます。こうした報道により、熊は危険であるからもっと捕殺してしまえばよいというような世論がつくられてしまわないかということを私は懸念しております。

また、動物愛護法二条一項の基本原則は、動物は命あるものであることに鑑み、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめてはならないようにするのみではなく、人と動物との共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適切に取り扱うようにしなければならないと定めています。動物愛護法の対象は人が所有する又は占有する動物ではありますが、野生動物は対象外となりますが、第二条の一項にあります動物に熊やイノシシは含まれます。危険鳥獣の用語は、動物が命あるものへの慈しみ、人と動物の共生への配慮に欠け、少なくとも動物愛護法の精神に反するものではないでしょうか。これらの理由から、危険鳥獣と名称を使うことに対して慎重になるべきではないかと考えます。

加えて、今回のような緊急銃猟の要件は外的条件で定まるものであり、あえてその対象である熊やイノシシに危険との名称をつけなくても制度創設自体は可能だと考えます。それでもなお、あえて危険の名称を使用した根拠を教えてください。

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