黒江哲郎三井住友海上火災保険株式会社顧問/元防衛事務次官

2025年5月30日・第217回国会 衆議院 安全保障委員会 第10号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 48 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 67 発言)

大変視野の大きな問題について御質問いただきました。

まさに御指摘のとおり、私自身もそう認識しておりましたけれども、二〇一五年の平和安全法制につきましては、これをもって現行の憲法の下で自衛隊が活動するのに必要な法的な根拠等々が全て備わったというふうに私は評価しておりましたし、それと同時に、一連の法案の中でありました米艦護衛ですね、他国の軍艦も共同で護衛できる、そういう規定もございまして、これはまさに平素から行われなければならない活動に対して法的評価といいますか、法的根拠を与えたものでございますので、その後もこれを基にして実際に活動が行われているということで、非常に前向きな前進があったんだろうというふうに思っています。

ただ、もう一つ、現行の法制の下で法制度としてはきちんとできているんだとは思うんですけれども、よく言われますのは、その後、侵攻する側がより洗練されたやり方をやってくるようになった。これはクリミア半島の問題を見てもすぐ分かる話なんですが、要は、いわゆるグレーゾーンと言われるような事態をうまく創出して、そこの中で、攻められる側が軍隊を動かしにくい、動かしづらい状況を使いながら、実態上攻め込んでくる、そういうやり方を取ってきている。これは、どことは申し上げませんけれども、周辺国はそういう能力はいろいろ持っているんだろうと思います。

そういうものに対応するために現行の制度をうまく全て活用できるのか、抜けはないのか。よく言われますのは、国民を実際に侵攻がありそうな地域から逃がそうとするんだけれども、そのときには事態認定をしないといけない。ただ、事態認定をしてしまうとその国との間で戦争状態になることを政府として宣言することになるので、事態認定は非常にしにくいんじゃないかとか、そういう御指摘もいろいろあるわけですね。そういったところになおかつまだ課題は残っているのかなというふうに思っております。

以上でございます。

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